「まもなく、ご注文いただいた商品が到着いたします」
チープな音声案内で我にかえった。
隣には30代の夫婦が談笑しながら好みの寿司を手に取っている。
乾燥した「かっぱ巻き」が諦めの悪そうに目の前を通った。
人気のない銘柄は回り続ける寿司ネタと同じで、人気の無さがさらなる不人気を誘う。
昨日紹介したフィックスターズは、市場コンセンサスを裏切る形で決算が明らかになり、ストップ安が懸念されたが、蓋を開けてみれば予想外の粘り強さを見せ、-2.87パーセントの下落に留まった。
この安堵感から、なんとなく底辺公務員の自分は回転寿司で夕食をとることにしたのである。
先月発災した台風19号の影響により、職場は殺伐とした雰囲気の中、怒号が飛び交っている。
長時間勤務によってどす黒く変色した中年職員の目元のくまのようにブラックな職場から、颯爽と定時で駆け出した自分は、決算を無事に乗り越えた安堵感とともに、回転寿司を楽しんでいるのである。
決算はまだ続く。明日は6033エクストリームの決算だ。
株式市場は、今日もまた大小様々な喜怒哀楽を生んで、サラリーマンの生活に彩りを添えている。