正月は妻の実家に遊びに行き、義理の父親と晩酌をすることになった。
義理の父は民間企業の支店で管理職を務めたあと、定年退職をして今は暇を持て余している。
普段は飲み相手探しに困っているようで、自分と飲めることを楽しみにしていたらしい。光栄なことだ。
酔いがまわると自然と仕事の話になり、上司との付き合い方について話が及んだ。
義理の父は「ゴマをすって上司にへつらう人はある程度のところまで行くけど、いずれ化けの皮が剥がれる。自分のこだわりやある種の信念をもって仕事した方がいい。ただ過剰にそれをアピールする必要はなくて、自然体で仕事に取り組んでいれば、自然と人は見ていて、結果的に君の評価に繋がるよ。」と言った。
自分はどちらかといえば仕事に関しては頑固で、自分が正しいと思ったことは上司に対しても主張している。かえって主張が強すぎて他の人より摩擦が大きいかもしれない。
見てくれている人はいると思えば、ちょっと頑張れる。ただそれは目的ではなくて、賛同者がいれば嬉しいという話に過ぎない。
自分が納得できる形で仕事をしたい。あたらめてそう思った夜だった。
結果的に評価が低く、組織に必要とされなければ、仕事を変えればいい。
それくらいの矜持ができつつある。だから、仕事が楽しいのかもしれない。